抗体医薬品開発・市場の最新動向について、調査結果を発表

2019-01-28  /  プレスリリース

~世界の抗体医薬品開発・市場のトレンドと今後の方向性は!?~

調査結果のポイント

  • 抗体医薬品の開発対象疾患はがん領域が中心!!
  • 抗体医薬品開発の死の谷はフェーズII試験!!
  • 抗体医薬品市場は多品目・多様化が進む!!

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(東京都港区、代表取締役 番場聖)では、市場が大きく拡大している抗体医薬品について、開発の最新動向やビジネス動向、世界の開発企業各社の状況などをまとめ、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.抗体医薬品の開発対象疾患はがん領域が中心!!

 抗体医薬品は様々な疾患を対象に開発が進められています。既に上市された抗体医薬品の疾患領域をみると、がん領域が43%を占めています。一方、現在開発が進められている抗体医薬品では、がん領域の比率は58%まで上昇します。この背景にはT細胞リダイレクト抗体や、免疫チェックポイント標的抗体の開発増加が挙げられます。特に免疫チェックポイント標的抗体は、商業的成功もあり、今後もさらに製品が増加する見込みです。一方、自己免疫・炎症性疾患は、上市済の抗体医薬品では27%であったが、開発中では18%まで低下しています。
 がん領域は抗体医薬品だけでなく、抗体以外のバイオ医薬品や遺伝子治療など次世代医薬品においても主たる開発対象疾患になっており、競争が激化しています。今後、医薬品における抗体医薬品の位置づけを確固たるものにするためには、このがん領域において継続的に有効な新薬を生み出すことができるかどうか、非常に重要です。

2.抗体医薬品開発の死の谷はフェーズII試験!!

 BBブリッジでは2016年5月に「2016年版 世界の抗体医薬品開発の方向性とビジネス展望」を発刊しています。今回、前回から約2.5年経過した最新の開発状況を追跡調査し、開発段階毎の開発進展率・失敗率を算出しました。
 この結果、抗体医薬品の開発では、フェーズII試験の進展率(成功率)が他の開発段階に比べて最も低いことが明らかになりました。抗体医薬品の開発において、有効性を見極めることが主たる目的であるフェーズII試験の成功が一番難しく、このフェーズIIを突破できれば、高い確率で承認までたどり着くことができることを示唆しています。このように開発段階の違いによって、開発進展・失敗率に大きな差があることを考慮しておくことは、抗体医薬品の開発や導出・導入契約の際に非常に重要です。
 なお、実際のレポートでは、開発進展率や開発中止率など具体的な数値を表記しています。

3.抗体医薬品市場は多品目・多様化が進む!!

 抗体医薬品の製品別市場構造について、2017年の状況を以下に記載しました。この結果をみると、約180億米ドルの年間売上を誇るHumiraは、抗体医薬品市場全体の19%を占めています。次いでRituxanやHerceptin、Avastin、Remicadeの構成割合が高く、売上高上位6つの抗体医薬品で全体の53%を占めていることがわかります。
 同様の分析を2015年に行った際には、上位6品目が占める割合は64%でした。すなわち2年間で上位6品目の合計の割合が64%⇒53%まで低下しています。これは抗体医薬品の市場は、従来のような少数の超大型品目で構成された市場から、多くの製品で構成されている市場へ変換しつつあることを示唆しています。今後、さらに多くの開発品が上市されることが期待されるため、このような動きはさらに拡大することが予想されます。

 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「2019年版 世界の抗体医薬品開発の方向性とビジネス展望(2019年1月25日発刊)」において実施されたものです。詳細についてお知りになりたい方は当該レポートをご参照ください。

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