抗体医薬品開発の最新動向と市場展望について調査結果を発表

2016-05-30  /  プレスリリース

~拡大が続く抗体医薬品の開発動向と市場の方向性は~

調査結果のポイント

  • 抗体医薬品開発において技術の多様化が進む
  • 抗体医薬品市場は自己免疫・炎症性疾患とがん領域が中心
  • 将来の抗体医薬品の利用に合わせた新たな医療システムの検討が必要

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(東京都港区、代表取締役 番場聖)では、バイオ医薬品として利用や市場が拡大している抗体医薬品について、研究開発の動向やビジネス動向、今後の方向性について調査・分析を行い、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.抗体医薬品開発において技術の多様化が進む

 抗体医薬品の開発においては何も加工を加えないNaked抗体(ここでは通常抗体とする)から、抗がん剤などを結合させるコンジュゲート抗体、1つの抗体で複数の標的を狙う多価抗体、抗体の構造を改変して小さくする低分子化抗体、抗体の一部のアミノ酸や糖鎖を加工する改変抗体など多様な技術が利用されています。
 現在、非臨床試験~臨床試験が進められている新規候補品の技術別特性を見ると(下図参照)、約半数の候補品には何らかの技術的な工夫が行われていることがわかります。既に上市・製品化している抗体の8割近くが通常抗体であることを踏まえると、開発中の抗体は技術の多様化が進んでいることがわかります。
 今後、これらの候補品の開発が進めば有効性や副作用が改善した抗体医薬品の製品化や、今まで適用が難しかった疾患への利用が広がると期待されます。
抗体図表1

2.抗体医薬品市場は自己免疫・炎症性疾患とがん領域が中心

 2015年までに世界では50以上の抗体医薬品が上市されており、近年の抗体医薬品世界市場は、年平均成長率+6~7%と順調に成長しています。2015年度における抗体医薬品の世界売上を疾患別で見ると(下図参照)、自己免疫・炎症性疾患が最も多く49%を占めています。次いで多いのががん領域であり40%を占めています。抗体医薬品市場の約9割がこの2つの疾患領域で占められていることがわかります。
 一方、脳神経疾患や感染症、遺伝性・希少疾患領域などは抗体医薬品による治療がほとんど実現していませんが、多くの候補品の開発が進められています。これら開発品が上市されれば、新たな治療薬として利用されるだけでなく、抗体医薬品市場をさらに拡大させると期待されます。
抗体医薬図表2

3.将来の抗体医薬品の利用に合わせた新たな医療システムの検討が必要

 抗体医薬品の課題の1つに高額な医薬品があります。特にがん領域における抗体医薬品は、患者一人当たりの年間薬剤費が1,000万円を超えるケースもあり、医療財政が厳しい各国において批判の対象になっています。
 現状では医療用医薬品市場に占める抗体医薬品の割合は低いですが、今後、特にがん免疫療法分野において臨床研究が進められている複数の抗体医薬品の併用や、分子標的薬や遺伝子・細胞医薬品との併用が想定など、先端のがん治療を行うためには抗体医薬品も含めた高額な医薬品が必要となり、その費用への批判はさらに大きくなる可能性があります。
 このような状況に進めば、各国で高額医薬品に対する薬価の引き下げや使用対象者の厳格化、バイオシミラーの積極的な推進などの医療政策が施行されることが予想されます。一方、製薬企業にとってはイノベーションの正当な評価が可能な価格・薬価制度は、研究開発の継続のために非常に重要です。
 今後、医療財政の安定や積極的に新薬創出を行う製薬企業が継続的に活動できる新たな仕組み作りが重要です。例えば高額な医薬品の場合、効果が得られた患者のみ出来高払いにするなども選択肢の1つとして考えられます。
 いずれにしても限られた医療財源の適正利用と、新薬創出のためのイノベーションの促進という2つのバランスを上手く取ることのできる新しい医療システムの創出が望まれます。

 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「2016年版 世界の抗体医薬品開発の方向性とビジネス展望」において実施されたものです。詳細をお知りになりたい方は当該レポートをご参照ください。

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