mRNA医薬品の最新の研究開発/ビジネス動向について調査結果を発表

2018-05-29  /  プレスリリース

~新規モダリティとして期待されるmRNA医薬品(mRNA創薬)の全貌~

調査結果のポイント

  • mRNAは従来の医薬品にはない様々な特長を持つ!!
  • 現在の開発はワクチン作用が中心、将来的には治療用タンパク発現が中心に!?
  • 非上場ベンチャー大型資金調達により開発促進が期待!!

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(東京都港区、代表取締役 番場聖)では、次世代医薬品/モダリティとして期待されるmRNA医薬品(mRNA創薬)について、研究開発の最新動向や、企業のビジネスの動向、医薬品としての今後の方向性や課題について調査・分析を行い、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.mRNAは従来の医薬品にはない様々な特長を持つ!!

 mRNAを医薬品として利用するメリットについて、任意のタンパク質を生体内で継続的に産生できるため、従来のタンパク質医薬品に比べて治療コストが安価になる可能性があります。また、複数のタンパクを同時に発現させるなど、従来の医薬品では難しかった治療も実現できる可能性があります。DNAによる遺伝子治療とは異なり、核内にデリバリーする必要がないというメリットもあります。遺伝子医薬品(遺伝子治療)と異なりウイルスベクターを用いないので、ゲノムへの組み込みの心配がないなど安全性も高いです。
 一方、mRNA医薬品の課題としては、生体内での安定性の低さや免疫原性があります、mRNAは生体内では不安定ですが、効果を発揮するためには細胞内に取り込まれる必要があります。このため、mRNA医薬品の実用化にはDDS技術の活用が必須となります。
 このようにmRNA医薬品には多くの特長と解決すべき課題があります。しかし、従来の医薬品にはない特長が多く、今後の展開が期待されます。

2.現在の開発はワクチン作用が中心、将来的には治療用タンパク発現が中心に!?

 mRNA医薬品の作用機序について、作用機序が明らかにされている候補品を対象に調査を行いました。現在のmRNA医薬品の作用機序は、①感染症やがんに対する抗原をコードするmRNAを用いる「ワクチン作用」を期待するもの、②疾患の治療に貢献するタンパクをコードするmRNAを用いる「治療用タンパクの発現」の2つに大別することができます。
 現在の開発品では「ワクチン作用」が55%と多く、「治療用タンパクの発現」は45%でした。今後、開発候補品の臨床試験の成績や技術開発によって、下記の比率は大きく変化する可能性があります。ワクチン作用の対象疾患はがん(悪性腫瘍)/感染症ですが、治療用タンパクの発現では幅広い疾患が対象となるため、医薬品としての期待が大きく、数多くの企業が要素技術の開発を進めています。

3.非上場ベンチャー大型資金調達により開発促進が期待!!

 現在のmRNA医薬品の開発は、ベンチャー企業を中心ですが、欧米の大手製薬企業も共同研究という形で参画を開始しています。mRNAの開発を行うベンチャーは数多くありますが、特にBioNTech(ドイツ)、CureVac(ドイツ)、Moderna Therapeutics(米国)の3社は、mRNA医薬品開発における中心企業で、非上場企業でありながら1回あたり数億米ドルの大型の資金調達を行っています。
 このように一度で多額の資金を調達できるのは、mRNA医薬品への大きな期待が集まっているからです。非上場であるため、敵対的買収の危険性も低く、株価を気にすることもなく研究開発に集中できます。今後、mRNA医薬品の開発促進が益々期待されます。

 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「世界のmRNA医薬品の最新開発動向と今後の方向性(2018年5月30日発刊)」において実施されたものです。詳細についてお知りになりたい方は当該レポートをご参照ください。

本プレスリリースの内容について、無断利用・転載は禁止します。

お問い合わせ先

株式会社BBブリッジ
〒254-0035
神奈川県平塚市宮の前6-20
クリオ平塚七番館101
E-mail:info@bb-bridge.co.jp

インターネットでのお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ

0463-73-6612

電話受付:9:30~17:30(平日)