タンパク質医薬品の最新動向について調査結果を発表

2020-03-16  /  プレスリリース

~着実に成長するタンパク質医薬品の開発・ビジネス動向~

調査結果のポイント

  • タンパク質医薬品の作用機序は多様である
  • タンパク質医薬品の開発および市場は、融合タンパクが牽引
  • バイオ医薬品市場においても、タンパク質医薬品は一定の市場を保持

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(東京都港区、代表取締役 番場聖)では、組換え技術によって製造されるタンパク質医薬品(抗体医薬品を除く)について、研究開発の最新動向や世界の開発企業の動向、タンパク質医薬品に関するビジネス動向や今後の方向性について調査・分析を行い、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.タンパク質医薬品の作用機序は多様である

 タンパク質医薬品は抗体医薬品と比べ、生体内において様々な作用機序を持っています(下図)。タンパク質医薬品は、生体内の様々な機能を持つタンパク質を対象に、一部の構造を改変して本来の機能性をさらに向上させすることや、人工的に大量製造することで医薬品として利用しているからです。また、近年ではタンパク質工学技術の進展により、生体内にはない人工タンパク創出技術を利用した医薬品開発も進んでいます。
 このようにタンパク質医薬品は様々な作用機序を持っているため、医薬品としての汎用性・ポテンシャルは非常に高いと思われます。

2.タンパク質医薬品の開発および市場は、融合タンパクが牽引

 現在のタンパク質医薬品市場は、融合タンパクが中心になっています。融合タンパクは生理活性タンパクに対し、血中安定性の向上を目的にIgG抗体のFc部位を融合させるものが主流です。実際の融合タンパク製品として、Enbrel、Eylea、Trulicityなどがあり、この3製品はいずれも世界売上高が40億米ドルを超え、商業的に大成功を収めています。
 一方、タンパク質医薬品の開発品における特性別の比率を見ると、やはり「融合タンパク」が圧倒的に多く、全体の38%を占めています(下図)。近年ではFc部位を他のタンパク質医薬品(酵素・サイトカインなど)と組み合わせる例も多く、開発品数が増加しています。
 このように融合タンパクは、タンパク質医薬品のおける中心であり、今後も市場および開発において中心になると予想されます。

3.バイオ医薬品市場においても、タンパク質医薬品は一定の市場を保持

 2018年度のバイオ医薬品の世界市場(タンパク質医薬品および抗体医薬品の合計)における比率について、「タンパク質医薬品」は34%、「抗体医薬品」は66%を占めています。
 2010年頃まではタンパク質医薬品の比率の方が高い状況でしたが、近年の免疫チェックポイント阻害抗体に代表される多数のブロックバスターの登場により、抗体医薬品の比率が急速し、売上比率が逆転しています。
 但し、抗体医薬品の開発状況を見ると、開発参入企業は非常に多く、開発競争は非常に厳しくなっています。一方、タンパク質医薬品は抗体医薬品に比べて作用機序も多様で、製品市場も細分化されています。開発参入企業も抗体医薬品に比べるとかなり少ないため、独自技術を用いて新規製品を開発できれば、一定の市場を獲得できると期待できます。

 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「2020年版 世界のタンパク質医薬品開発の方向性とビジネス展望(2020年3月13日発刊)」において実施されたものです。詳細についてお知りになりたい方は、当該レポートをご参照ください。

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