核酸医薬品の開発・市場動向について最新の調査結果を発表

2025-07-07  /  プレスリリース

~拡大する核酸医薬品の今後の方向性は~

調査結果のポイント

  • 核酸医薬品の主役はアンチセンスからsiRNAへ
  • 核酸医薬品日本市場は、2035年には2024年の5.5倍に成長!
  • 核酸医薬品CDMO世界市場は、日東電工Aveciaがトップ

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う株式会社BBブリッジ(神奈川県平塚市、代表取締役 番場聖)は、核酸医薬品について、研究開発の最新動向や世界の企業の動き、核酸医薬品市場の現状や展望、核酸医薬品の製造技術やCDMO業界の動向について調査・分析を行い、その結果を発表しました。調査結果のポイントは以下の通りです。

1.核酸医薬品の主役はアンチセンスからsiRNAへ

 核酸医薬品開発のトレンドは、10年前までアンチセンスが中心でした。様々な修飾核酸の開発・登場が、アンチセンスの開発を支えていました。
しかし、近年ではsiRNAの開発が増加しています。siRNAの開発が増加した理由は、GalNacに代表されるDDSの成功です。従来のsiRNAは、デリバリーの問題で有効性を得られないケースも多々ありました。これに対し、GalNac結合型siRNAが臨床試験で優れた成績を出し、医薬品として普及したため、siRNAの開発が加速しています。
 修飾核酸も併用したsiRNAは、生体内で極めて安定的で血中半減期も長いため、医薬品として利用し易い状況にあります。今後、核酸医薬品開発の中心は、siRNAであることは間違いないと思われます。

 

2.核酸医薬品日本市場は、2035年には2024年の5.5倍に成長!

 核酸医薬品の日本市場について、2035年には2024年の約5.5倍まで成長すると予測しました。2024年から2035年までのCAGR(年平均成長率)は約17%です。
 日本では複数の核酸医薬品が承認・販売されていますが、欧米に比べると上市品数は少ない状況です。今後、欧米で先行している核酸医薬品が日本市場でも普及することで、市場拡大に寄与します。日本は核酸医薬品の主たる開発対象である、神経変性疾患や代謝性疾患の患者数も多く、市場拡大の余地は十分にあります。
 一方、日本の核酸医薬品市場の課題は、薬価システムです。高齢化に伴う医療費の増加が見込まれ、政府は増加分の一部を薬価引き下げで対応しています。製薬企業が日本で新薬開発を積極的に進めるためには、研究開発の対価に見合った薬価制度の改定が必要です。

 

3.核酸医薬品CDMO世界市場は、日東電工Aveciaがトップ

 2024年度の核酸医薬品受託製造の世界市場について、CDMOのシェアを明らかにしました。2024年の世界市場でトップシェアを持つのは、「日東電工Avecia」であり23%のシェアを保持しています。同社は日東電工が買収する前の旧Avecia時代から、核酸医薬品CDMOのリーディングカンパニーであり、世界に多くの顧客を持っています。
 前述のとおり、核酸医薬品市場は順調に拡大しています。このため欧米やアジア・日本においても、複数のCDMOが新規参入しています。今後、CDMO各社のシェア争いが益々激しくなると予想されます。

 
 なお、本調査は㈱BBブリッジが作成した技術・市場調査レポート「2025年版 核酸医薬品の開発・市場・製造の展望(2025年7月7日発刊)」において実施されたものです。詳細についてお知りになりたい方は、当該レポートをご参照ください。
本プレスリリースの内容について、無断利用・転載は禁止します。

お問い合わせ先

株式会社BBブリッジ
〒254-0035
神奈川県平塚市宮の前6-20
クリオ平塚七番館101
E-mail:info@bb-bridge.co.jp

インターネットでのお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ

0463-73-6612

電話受付:9:30~17:30(平日)