レポートのポイント

• 世界で開発が進められている核酸医薬品の開発動向（候補品、プラットフォーム技術）を網羅的に調査
• 核酸医薬品市場の現状や将来予測、各企業のアライアンスなどを調査
• 製造技術や製造ビジネスも併せて調査しており、核酸医薬品の開発・市場・製造におけるすべての情報を1冊にまとめました

レポートの詳細

　現在、核酸医薬品の開発や製品化が急速に進んでいます。核酸医薬品は生体内のmRNAなどを標的にできるため、従来の医薬品と異なった作用機序を持ち、神経変性疾患に代表される難病の治療薬として普及拡大が期待されています。特にここ数年で、アンチセンスやsiRNAの製品化が進み、ブロックバスターが登場するなど市場も順調に拡大しています。さらに近年では、RNA編集のための核酸医薬品の開発も進んでいます。RNA編集はmRNAなどRNAの塩基配列を直接書き換える技術であり、ゲノム編集に次ぐ新たな治療法として期待されています。
　核酸医薬品の大きな特長として、化学合成で製造が可能という点もあります。核酸医薬品は一般的に、担体上で核酸塩基を1つずつ結合させる固相合成で製造されます。近年は液相合成など様々な製造技術が開発されています。また、核酸医薬品の開発・市場の増加に伴い、CDMOビジネスも活況になっています。

　ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う㈱BBブリッジでは、世界の核酸医薬品の最新開発動向、市場やビジネスの動向、製造技術や製造ビジネスの3つの視点で、最新の動向をまとめた技術・市場調査レポートを作成しました。本レポートが核酸医薬品に関わる研究機関や企業の方々、科学技術政策の策定にかかわる方々にご活用いただければ幸いです。

本レポートにおける核酸医薬品の定義

本レポートにおける核酸医薬品は以下を対象としています。

アンチセンス、siRNA、miRNA標的核酸、アプタマー、その他（RNA編集用核酸など）

mRNA医薬品は本レポートでは対象外としています。mRNAは性状は核酸ですが、作用機序は治療タンパク質や抗原タンパクの発現であり、製造法も含めて核酸医薬品と大きく異なるためです。mRNA医薬品には、当社が2024年2月に発刊したレポート「2024年版　世界のmRNA医薬品の最新開発動向と今後の方向性」をご覧ください。

目次

総合考察
第1章　核酸医薬品の概要 　1 核酸医薬品の概要
　　1）核酸医薬品とは
　　2）類似の医薬品（mRNA医薬品など）との違い
　2　各核酸医薬品の特徴
　　1）アンチセンス
　　2）siRNA
　　3）miRNA標的薬（miRNA標的アンチセンス、miRNAミミック）
　　4）アプタマー
　　5）その他の核酸医薬品
第2章　核酸医薬品開発の最新動向 　1　核酸医薬品の開発概要
　　1）核酸医薬品開発の流れ
　　2）核酸医薬品開発のポイント
　2　開発トレンド
　　1）核酸医薬品の種類別の比率
　　2）疾患領域別の比率
　　3）投与経路別の比率
　3　核酸医薬品の種類別開発動向
　　1）アンチセンス
　　2）siRNA
　　3）miRNA標的薬（miRNA標的アンチセンス、miRNAミミック）
　　4）アプタマー
　　5）その他
　4　核酸医薬品の疾患別開発動向
　　1）神経変性疾患
　　2）代謝性疾患
　　3）循環器疾患
　　4）がん
　　5）自己免疫・炎症性疾患
　　6）眼疾患
　　7）血液疾患
　　8）呼吸器疾患
　　9）感染症
　　10）腎疾患
　　11）その他
　5　核酸医薬品に関する新規技術開発動向
　　1）修飾核酸の技術開発の動向
　　2）独自の核酸構造を利用した新規プラットフォーム技術の動向
　　3）新たな作用機序を利用した核酸医薬品プラットフォーム技術の動向
　　4）核酸を用いたRNA編集技術の動向
　6　核酸医薬品におけるDDS
　　1）核酸医薬品におけるDDSの概要
　　2）ペプチドを用いた標的指向性付与の技術動向
　　3）抗体を用いた標的指向性付与の技術動向
　　4）その他の標的指向性付与の技術動向
　　5）経皮投与に関するデリバリー技術動向
　7　核酸医薬品開発と特許
　　1）核酸医薬品における特許の概要
　　2）実際の核酸医薬品において取得された特許の例
　8　核酸医薬品開発の今後の方向性
　　1）作用機序の特性を考慮した核酸医薬品使い分けの方向性
　　2）核酸医薬品におけるジェネリック開発の可能性と課題
　　3）核酸医薬品開発の方向性（過去・現在・将来）
第3章　核酸医薬品のビジネス・市場の動向と展望 　1　製品化された核酸医薬品
　　1）製品一覧
　　2）製品化された核酸医薬品のトレンド
　　3）核酸医薬品の薬価
　2　核酸医薬品の市場の現状
　　1）市場の現状（世界および日本の市場概況）
　　2）製品売上ランキング（世界）
　　3）疾患別市場シェア
　　4）メーカーシェア
　　5）地域別市場シェア
　3　核酸医薬品におけるビジネス動向
　　1）核酸医薬品の販売・営業戦略
　　2）核酸医薬品の導出・導入契約
　　3）核酸医薬品の共同開発
　　4）核酸医薬品のためのDDSを目的とした共同開発
　　5）核酸医薬品開発企業におけるM＆A
　4　核酸医薬品市場の方向性と課題
　　1）大型製品化が期待される候補品と上市された場合のインパクト
　　2）核酸医薬品の世界市場予測（2035年まで）
　　3）核酸医薬品の日本市場予測（2035年まで）
　　4）核酸医薬品市場の方向性と課題
第4章　核酸医薬品の製造技術と製造ビジネス 　1　核酸医薬品の製造概要
　　1）製造の概要・流れ
　　2）核酸医薬品の合成
　　3）核酸医薬品の品質管理
　2　核酸医薬品の製造量
　　1）核酸医薬品の投与量と必要製造量の考え方
　　2）現在上市されている核酸医薬品の必要原薬量の試算
　　3）核酸医薬品の各製品における1mg当たりの薬価と製造コスト分析
　3　核酸医薬品の製造戦略とサプライチェーン
　　1）核酸医薬品製造におけるサプライチェーン
　　2）製造における自社製造とアウトソーシングの使い分け
　　3）開発各社の製造戦略（自社製造か、アウトソーシングか）
　　4）原材料（アミダイト）の供給企業の動向
　　5）核酸医薬品の製造用装置・製造用基材などの動向
　4　核酸医薬品のためのCDMOの動向
　　1）CDMOビジネスの特徴
　　2）米国のCDMO
　　3）欧州のCDMO
　　4）アジアのCMDO
　　5）日本のCDMO
　5　核酸医薬品の新規製造技術の動向
　　1）現在の核酸医薬品製造の課題
　　2）核酸合成に関する技術開発動向
　　3）酵素を用いた核酸医薬品製造法の開発
　6　CDMOビジネスの現状と今後の方向性
　　1）CDMOビジネスの現状（世界・日本の市場規模、市場シェア）
　　2）CDMOビジネスの市場予測（世界および日本、2035年まで）
　　3）CDMOビジネスの今後の方向性と課題
第5章　核酸医薬品の開発を行っている世界の企業の動向 　1　米国の企業
　　1）ADARx Pharmaceuticals
　　2）Alltrna
　　3）Alnylam Pharmaceuticals
　　4）Alys Pharmaceuticals
　　5）Arbutus Biopharma
　　6）Arrowhead Pharmaceuticals
　　7）Atalanta Therapeutics
　　8）Avidity Biosciences
　　9）Benitec Biopharma
　　10）Bio-Path Holdings
　　11）CAMP4 Therapeutics
　　12）Dyne Therapeutics
　　13）Entrada Therapeutics
　　14）Guardian Therapeutics
　　15）Impilo Therapeutics
　　16）Ionis Pharmaceuticals
　　17）Korro Bio
　　18）QurAlis
　　19）PepGen
　　20）Praxis Precision Medicines
　　21）Regulus Therapeutics
　　22）Sarepta Therapeutics
　　23）Stoke Therapeutics
　　24）Switch Therapeutics
　　25）Tevard Bioscience
　　26）Transcode Therapeutics
　　27）その他の米国企業
　2　欧州の企業
　　1）AptaTargets（スペイン）
　　2）Flamingo Therapeutics（ベルギー）
　　3）Isarna Therapeutics（ドイツ）
　　4）Lipigon Pharmaceuticals（スウェーデン）
　　5）ProQR Therapeutics（オランダ）
　　6）MiNA Therapeutics（英国）
　　7）Secarna Pharmaceuticals（ドイツ）
　　8）Silence Therapeutics（英国）
　　9）Sylentis（スペイン）
　　10）TME Pharma（ドイツ）
　　11）その他の欧州企業
　3　アジア・日本の企業
　　1）OliX Pharmaceuticals（韓国）
　　2）Percheron Therapeutics（豪州）
　　3）PYC Therapeutics（豪州）
　　4）Shanghai Argo Biopharma（中国）
　　5）Sirnaomics（中国）
　　6）SpliSense（イスラエル）
　　7）Suzhou Ribo Life Science（中国）
　　8）Wave Life Sciences（シンガポール）
　　9）リボミック
　　10）その他のアジア・日本企業
　4　大手・中堅製薬企業の動向
　　1）AbbVie
　　2）AstraZeneca
　　3）Biogen
　　4）GSK
　　5）Novartis
　　6）Novo Nordisk
　　7）Roche
　　8）Sanofi
　　9）日本新薬
　　10）その他の大手・中堅製薬企業

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～ワクチンから治療薬へ、開発が進むmRNA医薬品の展望～

発刊日：2024-02-13