医療経済評価を取り入れた医薬品開発の最新動向と今後の方向性 ~イノベーションの評価、医療費の適正配分指標としての医療経済・医療技術評価の導入~

医療経済評価を取り入れた医薬品開発の最新動向と今後の方向性
発刊日 2015-07-15
体裁 A4 165ページ
ISBN 978-4-908185-05-2
発行 株式会社BBブリッジ
販売価格 書籍版:100,000円(税別)
書籍+PDF版:130,000円(税別)
備考

PDFデータはCD-Rとしてご提供します。

レポートのポイント

  • 医療経済評価(医療技術評価)が医薬品の開発・販売に与える影響とは
  • 新規医薬品に対する医療経済評価の具体例、ポイント、留意点
  • 医療経済取り入れた医薬品開発の将来展望

レポートの詳細

 現在、医薬品の開発・販売において医療経済評価(もしくは医療技術評価 HTA:Health Technology Assessment)が注目されています。医薬品業界ではバイオ医薬品に代表される高額な医薬品の登場により、治療効果の改善・治療選択肢の多様化により医療の質が向上する一方、医療費が高騰し各国の財政を圧迫しています。医療におけるイノベーションを正当に評価し、限りある医療費を適切に分配するために医薬品の保険収載や薬価算定の際に医療経済評価を取り込む動きが活発化しています。

 医療経済評価は従来のように効果や副作用に基づく評価だけでなく、治療に必要なコストという経済指標を加え、費用対効果に基づく評価を行うことで、限りある財源をより適切に配分・活用するという考え方です。我が国においても2012年5月に中医協において費用対効果評価専門部会が設置され、2016年の診療報酬改定より医療経済評価を試験的に導入することを視野に議論が進められています。

 医療経済評価の導入によって医薬品メーカーは自社開発品の医療経済評価に基づくデータも得る必要があり、今後の医薬品開発に大きな影響を与える可能性があります。また、医療経済という視点を医薬品開発に取り入れることで、従来にはなかった新しいコンセプトの治療薬が生まれる可能性もあります。

 ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う㈱BBブリッジでは、医療経済評価を取り入れた医薬品開発について、求められる背景や世界各国の動向、日本の今後の方向性についてまとめました。本レポートが医薬品開発、科学技術・医療政策の策定に関わる方々にご活用いただければ幸いです。

調査方法

  • HP等のオープンデータ調査
  • 各種論文・文献などによる調査
  • 医療経済評価関係者、製薬企業等へのヒアリング
  • Health Technology Assessment international 2015
    (2015年6月 Oslo,Norway)での情報収集

目次

総合考察 第1章 医療経済評価が注目される背景  1 臨床的価値が飛躍的に高まった革新的な医薬品の登場
 2 医療費・薬剤費の高騰
  1)バイオ医薬品の登場による治療費の高騰
  2)遺伝子医薬品(遺伝子治療)の登場と価格
  3)細胞医薬品(細胞治療)の登場と価格
  4)バイオ医薬品の併用による医療費の高騰
  5)低分子医薬品も高額化
 3 医療経済評価が求められる社会的背景
  1)高額療養費の増加
  2)賢い/無駄な医療(choosing wisely)
第2章 医療経済評価の概要  1 医療経済評価の利用にあたって
  1)医療経済評価の利用と意思決定
  2)医薬品の開発・販売の際の医療経済評価の活用方法
  3)ポジティブリストか、ネガティブリストか
  4)医療経済における分析方法
 2 効用値(QOL値)について
  1)効用値の概要
  2)効用値の運用における留意点
 3 QALY
  1)QALYとは
  2)QALYの算出例
  3)QALYの改善と投下費用・閾値
  4)医療技術評価指標としてのQALYの特徴と課題
 4 その他の効果測定のための評価指標
 5 医療経済評価のための予測モデル
  1)予測モデルの必要性
  2)ディシジョンツリー
  3)マルコフモデル
 6 医療経済評価の実施の際の注意点
  1)割引率について
  2)生産性の損失について
  3)医療経済評価における介護費の扱いについて
  4)医療経済評価に関する団体・ネットワーク
第3章 世界各国における医療経済評価の実施状況  1 英国
  1)医療保険・薬価制度の概要
  2)NICEの概要
  3)NICEによる医薬品の評価フロー
  4)NICEによる医薬品評価結果の一覧(2010年以降)
  5)患者の新薬アクセス確保に関する取り組み
  6)Cancer Drug Fondについて
  7)費用対効果が悪くてもNICEによって推奨された医薬品
  8)「非推奨」のガイダンスが「推奨する」と変更された医薬品とその要因
  9)課題と今後の方向性
 2 ドイツ
  1)医療保険・薬価制度の概要
  2)医療経済評価への対応状況
  3)課題と今後の方向性
 3 オーストラリア
  1)医療保険・薬価制度の概要
  2)医療経済評価への対応状況
  3)新薬へのアクセス確保
  4)高額だが効果も高い医薬品に対する政府主導による基金の創設
  5)課題と今後の方向性
 4 米国
  1)医療保険・薬価制度の概要
  2)医療経済評価への対応状況
  3)民間保険会社における医療経済評価導入の動向
  4)Managed Care Pharmacyにおける医療経済評価標準化の動向
  5)課題と今後の方向性
 5 フランス
 6 オランダ
 7 スウェーデン
 8 カナダ
 9 韓国
 10 その他の国の動向
 11 日本
  1)医療保険・薬価制度の概要
  2)医療経済評価導入への動き
  3)中医協・費用対効果評価専門部会での議論の内容
  4)課題と今後の方向性
第4章 医療経済評価を利用した医薬品開発の現状と展望  1 医薬品開発における医療経済評価のポイント
  1)医薬品の医療経済評価の際に議論すべきポイント
  2)医療経済評価と医薬品の製造原価
  3)臨床試験時と実臨床における評価スケールの違い
 2 製薬会社における開発段階での医療経済への対応
  1)医療経済評価のために製薬企業において必要なデータ
  2)医療経済評価に対する専門部署の設置
 3 医薬品における医療経済評価の具体例
  1)Sovaldiの薬価と医療経済評価
  2)カドサイラの薬価と医療経済評価
  3)クリゾチニブ(Xalkori)もNICEでは非推奨
  4)細胞医薬品/細胞治療と医療経済評価
 4 医療経済評価後の製薬企業の対応
  1)医療経済評価により「推奨できない」決定後の製薬企業の具体的な対応
  2)製薬企業とNICEの訴訟
  3)製薬企業による医療技術評価ツールの独自開発
  4)医療経済評価の実施を支援する企業の登場
 5 診断薬(検体検査)の医療経済評価
  1)診断薬の医療経済評価の概要
  2)英国における診断薬の医療経済評価の例
  3)日本における診断薬の医療経済評価の方向性と課題
 6 医療経済評価時代の医薬品産業の方向性
  1)医療系経済評価を取り込んだ医薬品開発
  2)製薬企業の開発意欲減退への懸念
  3)医療経済評価は製薬業界の集約を加速させる
 7 医療経済評価時代の創薬研究
  1)医療経済評価に基づく開発シーズの探索
  2)医療経済評価におけるバイオマーカーの重要性
  3)医療経済評価のための臨床試験
  4)抗がん剤の開発には注意が必要
  5)医療経済評価の実装によって生まれる新しい医薬品コンセプト
  6)今後の方向性
第5章 医療経済評価の導入における課題と今後の方向性  1 すべての新薬へのアクセス確保の必要性
  1)費用対効果が不良な新薬への特例措置
  2)高額な医薬品に対する政府主導の基金の設置
 2 医療経済評価導入の際に考慮すべき点
  1)医療経済評価の導入目的と国民への周知
  2)自国内の製薬産業の競争力
  3)医療費・薬剤費の負担の余力がどの程度あるか
  4)医療経済評価結果の各国への影響と、国を超えた医療経済評価
  5)新興国における医療経済評価の運用
  6)医療経済評価における医療データ取得の重要性
  7)医療経済評価とジェネリック/バイオシミラー
  8)再生医療・細胞治療製品と医療経済評価の方向性
 3 日本における医療経済評価導入の方向性
  1)日本の薬価算定方式と医療経済評価
  2)日本の医薬品市場は外資系製薬企業にとって魅力的か
  3)民間医療保険整備の必要性
  4)混合診療解禁の検討
  5)日本の医療経済評価導入の方向性と課題

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