【3Dプリンターを使った再生医療・細胞医薬品開発】BBブリッジ メールマガジン No.8

2015-03-13  /  メルマガバックナンバー

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◆BBブリッジ メールマガジン No.8  2015年3月13日◆
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本メールマガジンは業界の最新動向やセミナー/シンポジウムなどの情報、
新規レポートのご紹介などを目的に月2回程度お送りしております。

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 昨日JBA主催のセミナーでバイオ3Dプリンターを用いた再生医療・細胞医
薬品開発を進める株式会社サイヒューズ 口石社長の講演を聞く機会があり
ましたので内容についてご紹介したいと思います。
 サイヒューズは九州大学医学部整形外科出身の中山功一氏(現 佐賀大学
大学院工学系研究科先端融合工学講座教授)とITエンジニア・コンサルティ
ングファーム出身の口石幸治氏によって2010年に設立されています。現在の
従業員は15名、設立の直接のきっかけはお二人が中学・高校時代の同級生
だったことだそうです。
 サイヒューズの基幹技術は中山氏が九州大学時代に取り組んでいた3Dプリ
ンター技術を応用した立体的な組織の作成です。具体的には多種の細胞を混
ぜ合わせ、ウェル内で培養することでスフェロイドと呼ばれる数万個の細胞
の凝集塊(大きさ0.5mm程度)を作成します。このスフェロイドを3Dデータ
を元に培養液に浸した剣山に直接突き刺して並べることで立体的に成形し
ます。並べられたスフェロイドは隣同士と融合していき、次第に1つの大き
な組織を形成、最後に剣山から抜いて使用するというものです。
 スフェロイドを剣山上に立体的に配置する装置は澁谷工業と共同で開発、
「レジェノバ」という商品名で2012年より研究向けにも販売を開始していま
す(講演後 口石社長に直接お話しをお伺いしたところ、同装置の定価は
4,000万円 すでに国内の研究機関に数台納品されているとのことでした)。

 同社ではこの技術をまずは透析患者さんの血管(シャント)として利用す
るための開発を進めています。使用する細胞は患者由来の3種の細胞(繊維
芽細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞)で、これを混ぜ合わせてスフェロイド
を作成、3Dプリンターによって血管の形に成形します。既にブタを使った
評価も行っており400mmHgまでの耐圧、移植後に血管の内側が内皮細胞で覆
われることなども確認しています。本開発について平成30年を目途に臨床
研究を開始する予定です。血管以外には肝臓の立体組織の作成に取り組んで
おり、こちらはまず創薬研究での評価用としての展開を考えているそうです。
 サイフィーズでは今後事業を促進させるためにコラボレーション先を求め
ています。具体的には1.バイオ3Dプリンター技術を用いた再生医療などアプ
リケーションの共同開発、2.培地の最適化など製造技術の共同開発、3.薬事
承認・販売に向けた事業パートナー、4.開発品や製品の製造パートナー を
求めているとのことです。

 現在は自家細胞を使用し1つずつ手作りのため、再生医療・細胞医薬製品
としてはかなり高価になると想定されますが、培養工程の自動化や細胞バン
クによる他家細胞が利用できるようになれば、製造コストが飛躍的に低減し、
普及・拡大が期待できると思います。

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【3月12日】イスラエルのライフサイエンス産業の動向
     
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