レポートのポイント

• 世界150社以上の企業が持つ、550以上の開発パイプラインを分析、2017年春、2019年冬、2022年冬の各時点における開発状況を経時的に分析し、開発進展比率や開発中止比率/中止理由などが明らかに
• 細胞医薬品の製造技術の動向や、開発企業の製造関連戦略（自社製造、CDMO外注、製造技術開発提携　など）も詳細に調査
• 研究開発動向や製品売上、製造ビジネスなど、細胞医薬品に関する最新動向が網羅されています

レポートの詳細

　現在、細胞医薬品（細胞治療薬）の研究開発が欧米を中心に急速に進んでいます。細胞医薬品は患者の生体内の特定の細胞（骨髄由来幹細胞など）や健常者ドナーから採取した細胞を用い、これになんらかの処理を加えて機能を付与し、それを生体に戻すことで疾患を治療するものです。細胞分離技術や細胞培養技術、細胞への機能性付与のための遺伝子導入技術の進展によって多様な細胞医薬品が開発されています。

　2015年には日本においても「ハートシート」「テムセル」の2製品が再生医療等製品として承認されました。さらに2017年には2つのCAR-T製品（Kymriah、Yescarta）が米国で上市されました。この2つのCAR-Tは、上市後順調に売上を伸ばしています。CAR-Tは既に多発性骨髄腫でも新規製品が上市され、売上拡大が予想されます。

　ライフサイエンス・メディカル分野のリサーチ・コンサルティングを専門に行う㈱BBブリッジでは、2019年12月に「2020年版　世界の細胞医薬品開発の現状と将来展望」を発刊しました。今回は前回レポートからおよそ3年が経過し、研究開発やビジネスの最新動向をアップデートしたレポートを作成しました。本レポートが細胞医薬品研究に関わる研究機関や企業の方々、科学技術政策策定にかかわる方々にご活用いただければ幸いです。

目次

総合考察
第1章　細胞医薬品の概要 　1　細胞医薬品の概要
　　1）細胞医薬品（細胞治療）
　　2）細胞医薬品として利用される細胞の種類
　　3）細胞医薬品の歴史
　2　医薬品としての細胞医薬品
　　1）細胞医薬品の特徴
　　2）遺伝子医薬品（遺伝子治療）との関係 第2章　細胞医薬品の開発動向と将来展望 　1　細胞医薬品の開発概況（トレンド・利用比率）
　　1）細胞医薬品開発の主な流れ
　　2）開発対疾患
　　3）細胞ソース（自家細胞か他家細胞か）
　　4）細胞ソースとしての検体（血液・骨髄・組織など）
　　5）投与される細胞の種類（幹細胞・体細胞など）
　　6）細胞への加工・処理技術
　　7）細胞医薬品の開発地域の比率（米国、欧州、日本など）
　2　細胞医薬品の疾患別開発状況
　　1）がん領域（固形がん）
　　2）がん領域（血液がん）
　　3）自己免疫疾患・炎症性疾患
　　4）脳神経疾患
　　5）整形外科疾患
　　6）遺伝性・希少疾患
　　7）循環器疾患
　　8）眼疾患
　　9）感染症
　　10）血液疾患（血液がん除く）
　　11）皮膚疾患
　　12）その他
　3　2020年→2023年の3年間における開発候補品の開発状況変化の分析
　　1）開発進展・開発中止の分析（全体および細胞ソース別、細胞種類別）
　　2）開発段階別の開発進展・開発中止率の分析
　　3）2020年以降に開発中止になった候補品における中止理由の分析
　　4）2020年以降に開発中止になった主な候補品（がん領域）
　　5）2020年以降に開発中止になった主な候補品（がん領域以外）
　4　遺伝子改変T細胞療法（CAR-T/TCR-T）の開発動向
　　1）CAR-T/TCR-Tとは
　　2）CAR-T療法・TCR-T療法の開発トレンド
　　3）次世代CAR-T・TCR-Tのための新規技術開発の動向
　　4）CAR-NKやCARマクロファージなどT細胞以外の開発動向
　　5）自己免疫疾患などがん以外を対象としたCAR-Tの登場
　5　ゲノム編集技術を用いた細胞医薬品の開発動向
　　1）ゲノム編集技術の概要
　　2）細胞医薬品とゲノム編集技術
　　3）ゲノム編集技術を用いた細胞医薬品の開発状況
　6　多能性幹細胞（iPS/ES）を用いた細胞医薬品の開発動向
　　1）iPS細胞を用いた細胞医薬品の開発状況
　　2）ES細胞を用いた細胞医薬品の開発状況
　7　特別な技術を用いた細胞医薬品の開発動向
　　1）成型を伴う細胞医薬品
　　2）カプセル化された細胞医薬品
　　3）細胞のリプログラミングを利用した細胞医薬品
　8　細胞の生体内コントロール技術の開発
　　1）細胞の生体内コントロールの目的
　　2）細胞の生体内コントロール技術の開発動向
　9　細胞医薬品開発の将来展望
　　1）CAR-Tが牽引する細胞医薬品開発の方向性
　　2）細胞医薬品開発の方向性と課題
第3章　細胞医薬品のビジネスと市場動向・展望 　1　細胞医薬品に関するビジネスの現状
　　1）日米欧で承認された細胞医薬品の一覧（がん領域）
　　2）日米欧で承認された細胞医薬品の一覧（がん領域以外）
　　3）細胞医薬品の販売価格・保険償還価格
　　4）細胞医薬品市場の現状（世界および日本）
　　5）細胞医薬品の主要製品の売上実績（世界および日本）
　2　大手/中堅製薬における開発品の導入契約、細胞医薬品企業におけるM&Aの動向
　　1）欧米などの製薬企業の動向（過去5年間）
　　2）日本の製薬企業の動向（過去5年間）
　　3）細胞医薬品開発企業におけるM＆A（過去5年間）
　3　細胞医薬品と特許
　　1）細胞医薬品における特許の考え方
　　2）細胞医薬品に関わる特許係争の例
　　3）細胞医薬品のビジネス展開における特許戦略
　4　細胞医薬品と医療経済評価
　　1）細胞医薬品における医療経済評価の重要性
　　2）Kymriah、YESCARTAの医療経済評価の例
　　3）AbecmaとCARVYKTIの医療経済評価
　　4）細胞医薬品の想定される価格設定・販売・保険償還のフロー
　　5）細胞医薬品における医療経済評価の課題と展望
　5　細胞医薬品の開発に関する規制
　　1）薬機法の制定（日本）
　　2）再生医療等安全性確保法の制定（日本）
　　3）米国の動向（HCT/P）
　　4）欧州の動向（ATMP）
　　5）細胞医薬品のための開発支援・優先審査制度
　6　細胞医薬品ビジネスのポイントと市場展望
第4章　細胞医薬品の製造技術・ビジネスに関する動向 　1　細胞医薬品の製造
　　1）製造工程の概要
　　2）製造に利用される装置類
　　3）製造に利用される消耗品（試薬）類
　　4）遺伝子導入技術（ウイルスベクター）の概要
　　5）細胞の成形
　　6）細胞医薬品の製剤化
　2　細胞医薬品の品質管理
　　1）品質管理の概要
　　2）有効性を担保するための試験の実際
　　3）安全性を担保するための試験の実際
　3　細胞医薬品の輸送（ロジスティックス）
　　1）細胞医薬品におけるロジスティクスの重要性
　　2）細胞医薬品の保存
　4　細胞医薬品の製造に関する規制
　　1）製造施設に関わる規制
　　2）製造関連製品（装置、培地・生理活性物質、シングルユース製品など）に関わる規制
　　3）医療施設（医療機関）に関する規制
　5　細胞医薬品開発企業における製造戦略
　　1）自社製造か、CDMOへのアウトソーシングか
　　2）細胞医薬品の製造における自社製造とCDMO外注の使い分け比率・傾向
　　3）細胞医薬品の製造を行う海外の主なCDMO
　　4）細胞医薬品の製造を行う日本の主なCDMO
　　5）レンチウイルス/レトロウイルスベクターの製造を行う世界のCDMOの動向
　　6）世界・日本におけるCDMOの現在の市場とマーケットシェア
　6　細胞医薬品の製造コスト
　　1）細胞医薬品の製造に必要なもの（消耗品・施設/設備）
　　2）製造コストの構造（自家CAR-Tを例に）
　　3）製造コストの構造（他家CAR-Tを例に）
　7　細胞医薬品の製造技術野方向性とビジネス展開
　　1）最終製品が細胞懸濁液か、成形が必要な製品かにより製造技術の方向性は異なる
　　2）他家細胞を用いた細胞医薬品の実用化のために必要な製造技術
　　3）各製造工程の技術開発における現状と今後の方向性
第5章　世界の細胞医薬品開発企業の動向
　1　北米のベンチャー企業の動向
　　1）AgeX Therapeutics（米国）
　　2）AIVITA Biomedical（米国）
　　3）Alaunos Therapeutics（米国）
　　4）Allogene Therapeutics（米国）
　　5）AlloVir（米国）
　　6）Artiva Biotherapeutics（米国）
　　7）Atara Biotherapeutics（米国）
　　8）Athenex（米国）
　　9）Athersys（米国）
　　10）AVROBIO（米国）
　　11）Bellicum Pharmaceuticals（米国）
　　12）BioRestorative Therapies（米国）
　　13）bluebird bio（米国）
　　14）BlueRock Therapeutics（米国）
　　15）BriaCell Therapeutics（カナダ）
　　16）Cabaletta Bio（米国）
　　17）Carisma Therapeutics（米国）
　　18）Celularity（米国）
　　19）Century Therapeutics（米国）
　　20）Capricor Therapeutics（米国）
　　21）Fate Therapeutics（米国）
　　22）iCell Gene Therapeutics（米国）
　　23）Iovance Biotherapeutics（米国）
　　24）Lineage Cell Therapeutics（米国）
　　25）Lisata Therapeutics（米国）
　　26）Lyell Immunopharma（米国）
　　27）Marker Therapeutics（米国）
　　28）Mustang Bio（米国）
　　29）Neurotech Pharmaceuticals（米国）
　　30）Northwest Biotherapeutics（米国）
　　31）PharmaCyte Biotech（米国）
　　32）Poseida Therapeutics（米国）
　　33）Precigen（米国）
　　34）Repertoire Immune Medicines（米国）
　　35）Rocket Pharmaceuticals（米国）
　　36）Sangamo Therapeutics（米国）
　　37）Senti Biosciences（米国）
　　38）Sernova（カナダ）
　　39）Sigilon Therapeutics（米国）
　　40）SQZ Biotechnologies（米国）
　　41）TCR2 Therapeutics（米国）
　　42）T-knife Therapeutics（米国）
　　43）Tmunity Therapeutics（米国）
　　44）Triumvira Immunologics（米国）
　　45）Vericel Corporation（米国）
　　46）ViaCyte（米国）
　　47）Vor Biopharma（米国）
　　48）WindMIL Therapeutics（米国）
　　49）その他
　2　欧州のベンチャー企業の動向
　　1）Adaptimmune（英国）
　　2）Autolus（英国）
　　3）AvenCell Europe（ドイツ）
　　4）BioNTech（ドイツ）
　　5）BioSenic（ベルギー）
　　6）Cellaïon（ベルギー）
　　7）Cellectis（フランス）
　　8）Celyad（ベルギー）
　　9）CiMaas（オランダ）
　　10）Cutiss（スイス）
　　11）CRISPR Therapeutics（スイス）
　　12）ERC（ベルギー）
　　13）Glycostem（オランダ）
　　14）Immatics Biotechnologies（ドイツ）
　　15）MaxiVAX（スイス）
　　16）Medigene（ドイツ）
　　17）Mendus（スウェーデン）
　　18）Orchard Therapeutics（英国）
　　19）ReNeuron（英国）
　　20）TC BioPharm（英国）
　　21）その他
　3　日本のベンチャー企業の動向
　　1）サンバイオ
　　2）セルジェンテック
　　3）タカラバイオ
　　4）ノイルイミューン・バイオテック
　　5）ひろさきLI
　　6）ヘリオス
　　7）J-TEC
　　8）その他
　4　その他の地域 のベンチャー企業の動向
　　1）BrainStorm Cell Therapeutics（イスラエル）
　　2）CARsgen Therapeutics（中国）
　　3）Cellular Biomedicine Group（中国）
　　4）Cynata Therapeutics（オーストラリア）
　　5）Gamida Cell（イスラエル）
　　6）IASO BioTherapeutics（中国）
　　7）Innovative Cellular Therapeutics（中国）
　　8）Mesoblast（オーストラリア）
　　9）Orthocell（オーストラリア）
　　10）Pluri（イスラエル）
　　11）Regeneus（オーストラリア）
　　12）Tessa Therapeutics（シンガポール）
　　13）その他
　5　大手・中堅製薬企業の動向
　　1）Bristol Myers Squibb
　　2）Gilead Sciences
　　3）Legend Biotech
　　4）Novartis
　　5）アステラス製薬
　　6）住友ファーマ
　　7）武田薬品工業
　　8）JCRファーマ
　　9）その他

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