【四国に核酸医薬品製造関連ベンチャーが設立】BBブリッジ メールマガジン No.23

2015-12-09  /  メルマガバックナンバー

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   ◆BBブリッジ メールマガジン No.23  2015年12月9日◆
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 次世代の医薬品として期待されている核酸医薬品について、製造に関する
ベンチャーが四国地方に設立されました。
 これは2015年10月に設立された株式会社四国核酸化学であり、高知大学
教育研究部総合科学系 特任講師 片岡正典氏らが開発した核酸医薬品の
液相合成技術をベースとし、製造技術支援・受託製造を主なビジネスとし
ています(詳細は以下の同社HPをご覧ください)。
 
 http://www.shikoku-nc.co.jp/

 核酸医薬品は疾患に関するmRNAやmiRNAなどを対象とする次世代医薬品で
あり、遺伝性疾患や難治性疾患を対象に開発が進められています。通常、
核酸医薬品の製造は固相合成によって行われます。これは担体に核酸モノ
マーを1つずつ結合させていく方法で、汎用性が高い反面、高い収率の確保
が難しく長いオリゴマーになるほど製造コストが高額になってしまうとい
う課題がありました。また、固相合成装置は海外企業に独占されています。
 核酸医薬品において製造工程の簡便化や製造コストの低減を目的とした
液相合成の利用は長く期待されていました。例えば味の素では液相と固相を
組み合わせたAJIPHASEと呼ばれる独自技術を開発し、ペプチド医薬品や核酸
医薬品製造への応用を進めています。
 四国核酸化学は縮合と水酸基活性化を組み合わせた反応を利用することで、
液相中で簡単にオリゴマーを合成できる技術を確立しています。同社の技術
はJSTの研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の研究開発成果をベース
としたもので、2017年度を目途に売上目標5億円を目指すとしています。
(四国核酸化学の技術概要については以下のJSTのページに詳細があります)
 
 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151029/

 核酸医薬品はsiRNAの発見などにより2000年代から開発が本格化しましたが、
医薬品として順調に開発が進んでいるとは言えない状況です。その理由はいく
つか考えられますが、その1つに研究開発に投資している企業が少ないという
ことがあります。例えば抗体医薬品は既に市場も形成しているため、世界中の
多数の企業や研究機関が開発に凌ぎを削っています。その結果、製造も含めた
様々な技術が開発され、従来抗体医薬品では作用機序やコストの面から開発が
難しいと考えられていた疾患にも適用が広がっています。
 核酸医薬品が医薬品として大きく伸長するには、抗体医薬品のようなブロッ
クバスターを狙うのではなく、まずは小さい市場であっても多数の製品を上市
することで、核酸医薬品の有効性や安全性を確立し、そこから徐々に医薬品と
しての核酸医薬品の位置づけを拡大させていくことが必要であると考えられま
す。

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