【再生医療・細胞医薬品におけるロジスティクスの重要性】BBブリッジ メールマガジン No.30

2016-09-12  /  メルマガバックナンバー

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   ◆BBブリッジ メールマガジン No.30  2016年9月12日◆
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 先週、再生医療・細胞医薬品の製造技術・ビジネスに関するレポートの
作成のため、ロンドンのカンファレンスに参加しました。細胞製品の製造
は、臨床開発やビジネス展開において最も重要な要素の1つであり、細胞
細胞製品開発企業や製造関連製品企業が様々な研究開発を進めています。
 
 細胞製品の製造に関する重要なポイントとしてロジスティクスがありま
す。細胞製品の出発材料は、自家(患者由来細胞)と他家(ドナー由来細
胞)に分けられますが、いずれもロジスティクスをどうのように構築する
かを慎重に考慮する必要があります。特に自家の場合、患者からの検体採
取→製造所への輸送→製造後患者の下へ輸送というルートを経るため、
より複雑かつ慎重な輸送が求められます。

 細胞製品の輸送の場合、温度管理はもちろん、輸送時の揺れや交通機関
の遅れに対応できるフォロー体制、トレーサビリティ、国を越える場合に
は通関などの対応が必要です。さらにこれらは細胞製品の特性によって
オーダーメイドが必要となるため、細胞製品の開発企業にとって、ロジス
ティクスの構築は大変な労力になります。
 
 特に輸送コストは通常の医薬品とは比べ物にならないくらい高額になり
ます。例えばカンファレンスで講演していた欧州の輸送関連企業によると、
特に欧米では臨床試験の実施のために複数の国に対して開発品を供給する
必要があり、自家細胞で高額な場合には1製品あたり輸送コストが30万円
を超えることもあると話していました。臨床試験の規模が200例であれば、
単純に輸送コストだけで6,000万円がかかることになります。
 さらに細胞製品の場合、製造拠点を増やさない限り上市後もほぼ同じ
高額なコストがかかることになります。

欧米では大手輸送会社やCROが細胞製品に対応したロジスティクスに参入
し、さらに細胞性品向けロジスティクスサービスのみを取り扱うベン
チャー企業も設立されています。
 実際の細胞性品開発企業の動きとして、例えば他家細胞由来の細胞医薬
品「テムセル」を上市したJCRファーマでは、医薬品卸大手のメディパル
ホールディングスと連携し、製造施設から医療機関まで細胞をマイナス
150℃で10日間以上保持できる超低温管理物流システムを整備しています。
 
 細胞製品のロジスティクスは、細胞製品の開発・販売において非常に
重要な課題であり、また、流通側にとっては新たなビジネスチャンスに
なると期待されます。

 9月末発刊予定のレポートではロジスティクスはもちろん、製造技術の
トレンドや関連製品の市場動向細胞性品に受託製造に特化したCMOの動向
などをまとめる予定です。

【9月末発刊予定】
 再生医療・細胞医薬品製造技術の最新動向とビジネス展望

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